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少子化社会の「両家墓」
墓は子どもがいても女子の場合なかなか継ぎにくいものがあります。
それは、女性が結婚すると夫側の家の人間になった、戦前の家制度時代の意識が今なお色濃く残り、
結婚改姓した妻は、実家の墓を継ぐのが困難であるといった事態を引き起こしているからです。
新潟県の承継者を必要としない「安穏廟」の購入者(1996年1月)をみるとその購入理由に、
子どもが「女子だけ」という人が20%あり、「子どものいない夫婦」の24%に次いで多いことがわかります
(東京都女性財団助成研究「変わる家族と女性の墓」)。
これも、女性が墓の承継者として認められにくい状況を物語っています。
かつて子どもが多かった時代には、家名を継ぐ男の子が産まれる確率も高かったし、
女の子しか生まれなくても「婿養子」をもらって家名や墓を継がせていました。
現在は、少子化で産む子どもの数が少なくなったうえに、養子をもらってまでも継がせようという意識が希薄化しました。
また、長男長女同士の結婚も一般的になり、すでに表札に二つの家名をかかげている家も見かけます。
このなかには結婚して姓が変わった娘が、親と同居しているケースも多く、そこには、夫側の姓を名乗りながら、
妻の親と同居するといった夫婦双系的な家族意識が見受けられます。
墓にもまた双系的な傾向が見受けられます。
それが、夫側、妻側の両家を祀る「両家墓」です。
少子化がすすむと、墓や仏壇を抱えた者同士の結婚も多くなり、一家に仏壇や墓が2つ3つということもでてきます。
墓石に2つの家名を並んで刻まれるのも多く見受けられるようになりました。
女子だけの家の場合、この両家墓をつくるか、あるいは墓石には「寂」などの文字を刻み家名を刻まないか、
承継者を必要としない「合祀墓」を求めるかという3つのケースが多いようです。
「家の墓」にも限界がきています。
このことが、今後の大きな問題でもあるでしょう。
「承継者を必要としない墓」も増やすことを含め、解決策が必要です。
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