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葬儀のはじまり
人間はいつのころから葬儀という形で仲間を葬ってきたのでしょうか。残念ながらいまのところその起源をはっきりと確定することはできませんが、考古学的に人為的な埋葬の跡らしきものを確認することができます。
今から10万年ほどまえに、中近東からヨーロッパを中心に広く分布していたネアンデルタール人は、われわれ現世人類とは区別して旧人類と呼ばれています。
彼らの遺跡には、既に人為的な埋葬の跡と判断できる証拠が多数発掘されています。例ばイラクのある洞窟では、遺体の周りから多くの花粉の固まりが発見されました。
それらは薬用植物の花粉であることが確認されておりますので、埋葬者が意図的に有用な草花を死者に手向けたものと考えられております。
こうした事実から、ネアンデルタール人はすでに”生命”を精神的に認識していたとする研究者もいます。
またわが国でも届葬(くっそう)やかめ棺などの埋葬形式が縄文時代や弥生時代に行われていました。
当時の人々の心のありようをはっきりと知るすべはありませんが、死者にたいする恐れや敬いの気持ちがあったことは間違いないでしょう。
このように考えてくると、人類は”文化”の習得とともに、死を意識し、死者を葬る習慣を形成してきたということができます。
戦争や災害などよほどの緊急時以外には、人間はなんらかの形式にもとづいて死者を葬り続けてきましたし、また死者を葬る形式そのものが人間社会の文化の一部を形作ってきたのです。
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