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通過儀礼という考え方
では実際に、どのような社会的仕掛けが死の受容に役立っているかということになります。
それは、文化圏ごとに多様であり、一概に論じることはできません。しかし、葬儀を通過儀礼という観点から説明し、その問題への解答の糸口を与えてくれたのはファン・ヘネップという文化人類学者です。
わたしたちは人生という長い時間をいくつかの部分に分けて考えます。その分け方はおのおのの文化や社会によって異なっています。
例えばわれわれの社会では、誕生、幼児期、子ども期、青年期、成人期(独身期)、既婚期、老年期、死亡などの部分や区切りが考えられます。このようなライフステージごとに設けられた区切り(ヘネップは「敷居」と呼んでいます)を、「乗り越える」場合に行われるのが通過儀礼です。
したがって通過儀礼とは、その人の社会的位置の変更をともなうものですが、そこには形式的に顕著な特徴があります。
それは、ある社会的位置から別な社会的位置へと移行していく場合に、元の位置から一旦切り離され(=分離)、中間的な状態を経過し(=過渡期)、新しい位置に統合されていく(=再統合)、という形式をとるということです。
こうした経過を経ることで、新しい社会成員としての自覚を当事者にもたらすと同時に、社会集団が当事者たちをあらたな社会成員として迎え入れるという役割を果たします。
現代ではかなり簡略化されているものもありますが、誕生日や結婚式、成人式や還暦も本来は通過儀礼としての役割を果たしてきたと考えられます。
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